木邨直子
私はカナダのキャンモアという田舎町に去年の八月から一年間留学していました。同じカナダでもバンクーバーやオタワなどの大都市とは全く異なるカナディアンロッキーに囲まれた小さな田舎町です。山に囲まれているため多くの自然が町に溢れていました。野生のリスやウサギは一年中見つけることができ、冬に近づくにつれ鹿やエルク、オオカミ、運が良ければ熊などの大型の野生動物もしばしば目にすることもありました。真冬には私の膝ほどの、若しくはそれ以上の雪がつもり、気温はマイナス35度を下回ることもありました。しかし三つのスキー場が近辺にあるため、寒い冬でも退屈することはありませんでした。
そんなキャンモアで私を受け入れてくださったファミリーはとてもいい方々でした。ホストペアレントのRicとJoanは二人とも歌手で、またドイツから来た留学生の男の子、Janとも仲良くできました。ファミリーに会う前はどんな人たちだろう、また私には兄弟がいないためJanとはうまくやって行けるのかと不安でした。しかしそんな不安は必要ありませんでした。ファミリーはうまく英語を話すことができなかった私を快く受け入れて、一年間暖かく見守ってくださり本当に感謝しています。作ってくださるご飯も想像していたより健康的で、家庭で栽培した野菜なども多く取り込まれていました。ホストペアレントだけでなく、ホストブラザーであるJanとも良い関係が築けました。日本、ドイツ、カナダの文化が一つの家に存在することでその違いに気付くことが多々あり、その度に食卓でそれについて話すことが私たちの習慣のようになっていました。その時間は私にとって興味深いものであり、英語を練習するよい機会でもありました。
私が通っていた高校は毎年多くの留学生を世界中から受け入れていました。私が通っていた時は韓国、中国、メキシコをはじめとする国々から留学生たちが集まってきていました。その学校での生活は日本の学校のスクールライフとは大きく異なっていました。まず一番初めに驚いたことは授業についてでした。日本では決められた時間割を日替わりでこなしていきますが、カナダでは自分で選択した四つの授業を毎日繰り返します。私の場合、約半年にわたってEnglish, Food, math, wood workingを受けました。Englishやmathは日本にも存在しますが、wood workingのようにあまり見受けられない科目も多数存在するため、授業選択の場ではどれを選ぼうか目移りしてしまいました。また授業内ではパソコンを使うことが多々あり、宿題提出もオンラインで行われていました。日本では紙で提出することが一般的だったので、これは私がとても驚いた事のひとつでもあります。
カナダで一年間生活したことは私の人生にとってとても大きなことだったと思います。日本では経験できないようなこともあり、自分自身でも日本を出発した時より成長したと思います。カナダで経験したことを糧に将来に向かって努力していきたいと思います。